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- 脂質はどれだけとったらよい?
- 揚げ物が好きだけど、脂質のとりすぎじゃないか心配!
- 脂質について詳しく知りたい
一般的に健康を意識しはじめた方が、脂質の摂取量について悩むのは多いです。
そこでこの記事では、脂質の基本知識から健康的な摂り方まで、わかりやすく解説します。
この記事を読めば、脂質のとり方が分かり豊かで健康的な食生活が実現するでしょう。
脂質とは
脂質は、炭水化物やタンパク質と並ぶ三大栄養素です。細胞の構造や機能維持に必要な生体膜を形成し、ホルモンやビタミンの吸収にも関わっています。エネルギーを蓄える役割もあり、余分な脂質は体内に脂肪として貯蔵されます。
脂質は体の構成や機能を支える根幹となる成分であり、健康を維持するためには適切な摂取が欠かせません。
脂質の種類と特徴
脂質は、水に溶けるか溶けないかで大きく2つに分けられます。水に溶けない「不溶性脂質」と、水に溶けやすい「極性脂質」です。代表的な脂質の種類と特徴は、以下のとおりです。
- 飽和脂肪酸
- 動物性脂肪に多く含まれ、心臓病のリスクを高める可能性がある
- 一価不飽和脂肪酸
- オリーブオイルやアボカドに多く含まれ、心血管疾患のリスクを減少させる可能性がある
- トランス脂肪酸
- 一部の加工食品やマーガリンに含まれ、心臓病のリスクを増加させる
- コレステロール
- 全ての動物性脂肪に含まれ、体内でも生成されるため、過剰摂取によって健康リスクが高まる
- 多価不飽和脂肪酸
- 抗炎症作用があり、心血管健康に寄与する
脂質の1日当たりの摂取量
ここでは、脂質の1日当たりの摂取量について解説します。
成人の脂質の摂取目標量
成人の脂質の摂取目標量は、総エネルギー摂取量の20~30%程度です。男性で約60g、女性で約50gが目安となるでしょう。総カロリー摂取量に応じて、脂質の摂取目標量を設定することが推奨されます。
身体への影響が懸念される飽和脂肪酸は、総エネルギー摂取量の7%以下に抑える必要があります。トランス脂肪酸についても、可能な限り摂取量を少なくすることが望ましいです。
一方で、オメガ3などの多価不飽和脂肪酸やオレイン酸といった一価不飽和脂肪酸は、積極的な摂取が推奨されています。
年齢・性別・活動量による違い
1日の脂質の摂取量は年齢、性別、活動量によって異なります。筋肉量の減少によりエネルギー消費が落ちる高齢者は、若い頃と比べて脂質を控えるのが望ましいです。特に女性は男性と比べて筋肉量が少ないため、脂質は少なめに摂るべきでしょう。
一方で、活動量の多い人は消費エネルギーが高いため、脂質の摂取量を多少多めにしてもバランスが保てます。成長期にある子供や青少年にも、適切な量の脂質が必要です。
妊娠・授乳期の女性には、胎児や赤ちゃんへの栄養供給のために、通常より多くの脂質が求められます。
スポーツ選手のような高い活動量を持つ人も、脂質を多く摂取する場合がありますが、脂質の質に注意が必要です。脂質の摂取量を算出する際は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスに留意してください。
脂質の摂り過ぎと健康リスク
ここでは、脂質の摂り過ぎによって起こる健康リスクについて解説します。
肥満や生活習慣病
脂質の摂り過ぎは、様々な健康問題の原因となり得ます。特に多いのは肥満です。体内で適切に使われなかった脂質は、体脂肪として蓄積されるからです。
肥満は、生活習慣病とも深い関係があります。生活習慣病の代表例として、以下のものが挙げられます。
- 高血圧
- 糖尿病
- 心臓病
- 脳卒中
- 高血糖
- 動脈硬化
- 高脂血症 など
適切な体重管理と脂質摂取量の調節が、肥満や生活習慣病の予防につながります。
起こりやすい症状
脂質の取りすぎは、肥満や生活習慣病以外の症状を引き起こすこともあります。具体的には、以下の症状です。
- 肝臓の脂肪増加
- 胆石症
- 非アルコール性脂肪肝症 など
正しい知識を持ち、適切な量と質の脂質を摂取することが大切です。
脂質の不足と健康リスク
脂質は、細胞の構築、エネルギー源としての働き、ホルモンの生成など重要な役割を担っています。脂質が足りないと、体が正常に機能しなくなる恐れがあるため注意が必要です。
脂質の不足がもたらす健康上の問題
脂質が不足すると、皮膚の乾燥や髪のツヤが失われるなど、外見に影響を及ぼします。免疫機能が低下することから、風邪や感染症にかかりやすくなるケースもみられます。
精神的な問題も重大です。脂質不足によって疲労感、集中力の低下、うつ症状が生じることがあります。脂質が足りないことで、ホルモンバランスが乱れ、子供の成長遅延や大人の生殖機能障害につながる可能性も考えられます。心臓病をはじめとする心血管系の病気のリスク増加も、脂質不足による健康リスクの一つです。
必要な脂質を摂取するための食品
脂質を適切に摂取するためには、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸を含む食品が推奨されます。具体的には、以下の食品がおすすめです。
- アボカド
- オリーブオイルや他の植物油
- サーモンやトラウトなどの脂の多い魚
- ナッツ類(アーモンド、ウォールナッツなど)
- 種子類(チアシード、フラックスシードなど)
- 卵黄
- 豆類(大豆製品など)
- 乳製品(チーズ、ヨーグルト、バター)
- 黒胡椒やその他のスパイス
- ダークチョコレート
食品別の脂質含有量を知る
ここでは、一般的な食品別の脂質含有量を紹介します。
一般的な食品の脂質含有量
一般的な食品の脂質含有量は、以下のとおりです。
アボカド | 100gあたり約15g |
オリーブオイル | 大さじ1あたり約14g |
チェダーチーズ | 100gあたり約33g |
サーモン | 100gあたり約13g |
アーモンド | 100gあたり約49g |
バター | 100gあたり約81g |
ビーフステーキ | 100gあたり約20g |
牛乳 | 1カップあたり約8g |
ピーナッツバター | 大さじ2あたり約16g |
卵 | 1個あたり約5g |
ベーコン | 2切れあたり約7g |
豚ロース | 100gあたり約21g |
ダークチョコレート | 1オンスあたり約9g |
レンズ豆 | 100gあたり約0.4g |
オートミール | 炊いたもの1カップあたり約3.5g |
トマト | 中サイズ1個あたり約0.2g |
脂質が多い食品
日常の食生活において、脂質が多い食品には注意が必要です。脂質を多く含む食品には、以下のものがあります。
- 赤身の肉よりも脂身の多い肉
- 揚げ物
- ファストフード
- ナッツ類
- オイル類
- フルクリーム乳製品
- 加工肉製品
- ファットスプレッド
- チョコレートやスナック菓子
- ジャンクフード
- 種子類や穀物の油を豊富に含む食品
上記の食品には、体に必要なエネルギー源や栄養素も含まれています。適切な量を摂取することで健康維持に貢献しますが、摂取量には十分注意しましょう。
脂質摂取のための食事の工夫
良質な脂質を摂取するためには、食事の工夫が欠かせません。ここでは、食事バランスや食材選び、食事例について解説します。
脂質を適切に含む食事バランスの整え方
野菜や果物、全粒穀物を多く含む食事を摂ると、脂質のバランスが整います。総カロリー摂取量に対して、脂質の割合を20~30%に保つのが望ましいです。
健康的な脂質を摂取するためには、飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸を多く含む食品を選んでください。オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類を、積極的に摂取するのも大事なポイントです。週に2回以上取り入れると良いでしょう。オメガ3脂肪酸を多く含む魚には、サーモン、マグロ、イワシなどがあります。
トランス脂肪酸が多い加工食品や、ファーストフードは控えめにするべきです。フライドフードやスナック菓子などの高脂質食品も、適量に抑えてください。
脂質の質に着目した食材選び
健康な体を保つためには、脂質の質に着目した食材選びが有効です。良質な脂質が体内の様々な機能をサポートし、健康維持に役立ちます。食材を選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 不飽和脂肪酸を多く含む食材を選ぶ(例:アボカド、ナッツ、魚)
- 飽和脂肪酸の摂取は控えめにする(例:赤身肉、バター、高脂肪乳製品)
- オメガ3脂肪酸を含む食品を積極的に取り入れる(例:サーモン、マグロ、亜麻仁油)
- トランス脂肪酸はできるだけ摂取しない(例:一部のファストフード、加工菓子)
- 食事全体のバランスを考慮しながら脂質を摂る(例:野菜とのバランスを考える)
- ラベル情報を確認して脂質の質をチェックする(例:栄養成分表示を見る)
- 精製されていない、天然の食品を選ぶ(例:全粒粉製品、未加工のナッツ)
適切な食材を使用し、バランスの取れた食事を心掛けることが、長期的な健康維持につながります。
脂質を抑えた料理例
家庭料理においても、脂質の少ないレシピを取り入れることが大切です。脂質を抑えた料理のポイントは、調理法と食材選びにあります。例えば、揚げる代わりに蒸したり焼いたりすることで、摂取する脂質量を減らせます。肉や魚の余分な脂を落とすためには、オーブンやグリルで調理する方法が有効です。
蒸し鶏や煮魚など、油を使わない調理法も選択肢の一つです。エアフライヤーを使うと、低脂質のフライドポテトや野菜チップスが作れます。ごま油やナッツオイルなどの油を味付けに使用することで、豊かな香りが楽しめるでしょう。
野菜や豆類、全粒穀物をベースにした料理は、適量の脂質を含んでいるため、食事のバランスが整います。 野菜をたっぷり使ったスープやサラダで食物繊維を増やすと、満腹感も得られます。野菜スパイラライザーを使って、野菜ベースのパスタを作るのもおすすめです。
低脂肪の乳製品の使用も推奨されます。低脂肪の乳製品でディップやドレッシングを作ると、クリーミーな味わいを保ちながら、健康を意識した料理を楽しめます。自家製ドレッシングは、脂質の質と量をコントロールできる点がメリットです。
油を使う場合には、オリーブオイル、アボカドオイルなどの植物油を使った調理法を選ぶと良いでしょう。肉の代わりにおからや豆腐を使って、ハンバーグやメンチカツを作る方法もあります。間食やトッピングには、アボカドやナッツを適量使用して、健康的な脂質を取り入れてください。
» 理想的な食生活の基本
まとめ:脂質は良質&適量摂ることが重要
脂質は身体に必要な栄養素であり、種類や特徴を知ることが大切です。適切な量を摂ることで、身体のエネルギー源として活用されると同時に、免疫力を維持する役割も果たします。
脂質の摂り過ぎは肥満や生活習慣病のリスクを高めます。一方で、脂質不足の状態も好ましくありません。脂質が不足すると、エネルギー不足や免疫力低下などの問題が生じるからです。
食事から脂質を摂取する際には、バランスと質に注意し、健康的な食材を選びましょう。
ナッツや魚などの食品がおすすめです。脂質を抑えた料理を心がけ、肉類や乳製品の摂取量に気を付けることで、健康維持に役立ちます。
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